前回、その①では相続土地国庫帰属制度の概要を説明いたしました。
その②では、申請権者の具体例を紹介いたします。
申請権者は「相続又は遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により土地の所有権又は共有持分を取得した者等」が対象です。相続以外の原因(売買等)で自ら土地を取得した者は基本的に対象となりません。
○単独所有の土地
相続等により土地の全部又は一部を取得した者(具体例1、2)
○共有に属する土地
相続等により土地の共有持分の全部又は一部を取得した共有者(具体例3、4)
ただし、土地の共有持分の全部を相続等以外の原因により取得した共有者であっても、相続等により共有持分の全部又は一部を取得した者と共同して行うときに限り、国庫帰属の承認申請可(具体例5)
具体例
単独所有
1.相続等により所有権の全部を取得した所有者
父M(単独所有)から子A(単独所有)が相続により土地を取得した場合
⇒子A申請可(単独所有)
2.相続等により所有権の一部を取得した者
父M(単独所有)から子A・子Bが購入(A:持分1/2、B:持分1/2)し、子Bが子Aの持分を相続により取得した場合
⇒子B申請可(単独所有:うち相続1/2)
共有
3.相続等により共有持分の全部を取得した共有者
父M(単独所有)から子A、子Bが相続により土地を取得した場合
⇒子A申請可(A:持分1/2)
子B申請可(B:持分1/2)
4.相続等により共有持分の一部を取得した共有者
第三者Y(単独所有)から父M、子Aが購入(M:持分1/2、A:持分1/2)し、父Mの持分を子A、子Bが相続により取得した場合
⇒子A申請可:相続により取得した持分を有するため(A:持分3/4<うち相続1/4>)
子B申請可(B:持分1/4)
5.相続等以外の原因により共有持分を取得した共有者
第三者Y(単独所有)から父M、法人Zが購入(M:持分1/2、Z:持分1/2)し、父Mの持分を子Aが相続により取得した場合
⇒子A申請可(A:持分1/2<相続>)
法人Z申請可<本来申請権限を有しないが、子Aと共同申請することにより申請可>(Z:持分1/2)
申請権者については以上です。
その③では土地の要件についてを紹介いたします。
「相続土地国庫帰属制度の承認申請業務」についてのお問合せはこちらからお願いいたします。
参考・引用:法務省「相続土地国庫帰属制度」
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